■見込み客獲得、育成がよく設計された見本サイト
話題の多いキーエンスであるが、サイトのマーケティング戦略もよく設計されている。恐らくマーケティングオートメーションを利用してOneToOneマーケティング、またはアカウントベースドマーケティングなどのアクションを取っていると思われる。
デザインは実のところ、ハイセンスとは言えず、またビジュアルやメッセージからブランディングを感じ取ることはできないが、ユーザインターフェイスと情報の見やすさ、そしてマーケティング機能は非常によく考えられている。
ブランディングを忘れているわけではなく、ビジュアルやメッセージに注力したブランディング戦略はあえて取っていないという事だろう。
■サイトの優れているポイントは
特に参考になる点として「コンテンツマーケティング」と「CTA」の設計に尽きる。もちろんターゲット以外は興味がないワード、情報であるがターゲットに対してはしっかり心をつかんでいる。特に以下の点がよい。
●PRではなく、ノウハウの提供による「見つけてもらう」集客に注力している。
グローバルメニューの「改善事例、学ぶ、調べる」をよく見てほしい。例えば取扱い装置として「静電気対策装置」がある。普通の企業はならば直接製品の「静電気対策装置」で集客をすると思われる。しかしキーエンスは「静電気ドクター」というノウハウコンテンツを用意し、静電気の概要、発生のメカニズム、静電気の弊害、除去対策などの充実したノウハウを提供。これにより見込み客を集客、育成している。その上でコンテンツの中にいやらしくなく「静電気対策装置」を埋め込んでコンバージョンを高めている。
●CTAもターゲットの心をつかんでいる。
各種コンテンツのPDFダウンロードはもちろん、カタログ、設計資料（CAD等）、マニュアルなどの購入前の検討段階で必要な資料はすべて用意されている。お客様が必要とする、または聞きたいと思っているコンテンツや、営業窓口への誘導などの配慮が細かく用意されている。
