■ターゲットに合わせてた臨機応変な情報提供が参考になる
●美しいサイト構造が正しいわけではない
私たちWeb制作者はついつい美しい構造が「わかりやすいサイト」だと考えてしまう。決して間違いではない。旅館の立てまわし的に複雑怪奇なサイトでは目的の情報にたどり付く可能性が低くなる。
ただし、だからといって統一的画一的にサイトを作りすぎるとターゲットに対して親切とは言えない構造になってしまうことも否定できない。
例としてグローバルサイトを各国、統一的な構造にしてしまうと国の文化や行動様式から外れてしまうため、結果的に各国で使いにくいサイトになってしまう。効果を上げるには国別の設計も必要となる。
●ガイドラインに拘らず対象ターゲット毎に構造を検討することも必要
オムロンのターゲットは、もちろんBtoBであるが、ターゲット像がそれぞれのサービスで違う。この場合は、それぞれのターゲットに向けて情報を設計するのが得策だと思う。このサイトは、それぞれのターゲットに該当サービスが毎に構造化され、結果的にターゲットに対してわかりやすい構造となっている。
■優れているポイント
●ターゲットに応じて製品、サービスのサイトが独自に作られている。
簡単に言ってしまえば、サブドメイン化して各サービスごとにサイトを立てているイメージだ。ただしよくある手抜きやバラバラ感がない。各サービスごとにターゲットの認知、理解、課題解決のそれぞれの段階で、必要なコンテンツが準備されている様に感じる。
●オムロンという企業性格上、先進性と発展性を見せることが大切。
コーポレートサイトでは、ビジョンと未来を語るコンテンツが、他社よりも多くみられる。オムロンは作った製品をそのまま販売するというビジネスモデルではなく、お客様のニーズに応じて製品を開発するという業務が多いと推定する。この場合、製品と実績を見せることは重要ではあるが、先進性と発展性をさらに見せることにより問合せモチベーションが上がることになる。評価が高いだけによくできている。