WebページをAIが自動解析して文脈に合った広告を配信する、コンテクスチュアル広告をグローバルで展開するGumGum Japan株式会社は、広告主及び広告会社200名を対象に、コミュニケーションの変化とマーケティング施策、さらにサードパーティーCookie排除とその対策に関する意識調査を実施。Googleが発表したChromeにおけるサードパーティーCookieのサポートが2023年に廃止する件や、改正個人情報保護法の施工を背景に加速するデジタルコミュニケーションの変化を調査いたしました。

  • GoogleのサードパーティーCookie廃止が2023年まで延長されることが決まったが、過半数が引き続きサードパーティーCookieの代替方法を模索。

「GoogleがサードパーティーCookie廃止を2023年に伸ばしたことで何か意向は変わりましたか?」という質問に対して、「サードパーティーCookieが廃止されることに変わりないので代替方法を引き続き模索すると答えた人は54.3%に上り、過半数以上の広告主及び広告代理店がサードパーティーCookieの代替になるソリューションを検討していることが分かりました。

●    変わらず従来型の手法を選択する (20.5%)
●    時間ができたので結論を先延ばしにする(16.5%)
●    サードパーティーCookieが廃止されることに変わりないので代替方法を引き続き模索する (54.3%)
●    全く今後も検討しない(7.9%)
●    その他(0.8%)

  • サードパーティーCookie廃止後の代替手段として「ファーストパーティーデータ」と「ソーシャルメディア」が有力。加えて「コンテクスチュアル広告」もTOP3入りしており、高い注目を集めて要ることが判明。

「あなたはサードパーティーCookieの代替手段として、どのようなものを検討し始めましたか?」という質問に対して、「ファーストパーティーデータ」が最も多く41.5%、次いで「ソーシャルメディア」38.0%、「コンテクスチュアル広告」が26.0%という結果が出ています。

しかしコンテクスチュアル広告に高い注目が集まっていることが伺える一方、「あなたはコンテクスチュアル広告の使い方に精通していますか?」という質問に対して、「よく知っている」と答えた割合はわずか7.5%となり、さらに「なんとなく知っている」という回答を合わせても過半数を超えない実態が明らかになっています。

考察
主要プラットフォーム上でのコミュニケーションは当然重要な施策になってきますが、一部のプラットフォームへの投資が集中するとユーザーとの接点が限られてくるため、マーケティングコミュニケーションの同質化、さらには予算の投資合戦に至ることが考えられます。サードパーティーCookie廃止後の代替手段として幅広い選択肢を持ち、さらにそれらに対して正しい理解を深めて行くことが広告提供側における喫緊の課題であると言えます。
  • コンテクスチュアル広告利用の目的が拡張、ユーザー体験最大化にも期待が寄せられていることが明らかに。

「コンテクスチュアル広告を使う目的は何ですか?」という質問に対しては、「クッキーを使わなくて済む代替え方法として」という回答が41.0%を占め最も高い結果になりましたが、次いで「ブランド認知への貢献」(34.5%)、さらに「ユーザーにとって良い広告体験ができる」(26.5%)という回答が続きました。このことから、コンテクスチュアル広告はサードパーティーCookie代替えの位置づけだけではなく、ユーザー体験を最大化するための手段としても期待が寄せられていることが分かりました。

考察
従来型の属性をベースにしたターゲティング手法と異なり、リアルタイムでユーザーが閲覧しているコンテンツを選んで関連性がある広告を配信するコンテクスチュアル広告は、ユーザーが広告と接触する際の心象が大きく異なります。GumGumが直近国内で実施した一般消費者向けの調査によると、”ユーザーが広告を見て興味を持つ要素”は、いずれもユーザーの行動を尊重した上で関連性や一体感を持たせる点が重要であることがわかります。

●    自分の行動(メディアやコンテンツの視聴など)を阻害しない (48%)
●    新しい発見を提供してくれる(31%)
●    自分が閲覧している記事やコンテンツと一体感がある (30%)

GumGumが2020年に、脳科学と人工知能による消費者の心理や行動の分析を行う『SPARK Neuro(スパークニューロ)』 と実施した、「コンテキスト広告と効果の因果関係」の調査によると、文脈と関連性の高い広告は、低い広告と比べて、潜在意識に43%強く作用することが判明しました。つまり、記憶や関与度、購買意欲を全般的に底上げする効果があることが分かっています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000041130.html
  • 消費者の商品購入・体験のための施策展開の重点と、デジタルマーケティング施策における重点にギャップが生じていることが浮き彫りに

「あなたは消費者に商品を購入・体験してもらうために、施策展開でどの部分に重点をおいていますか?」という質問に対して、広告提供者の60%が「ブランドやサービスに好意を持たせる」ことを選択しているにも関わらず、実際にデジタルマーケティング施策を展開する際には「顧客獲得効率を意識した施策展開」(56.0%)が最も重視されていることが分かっています。

全体施策では商品購入や体験をしてもらう事を目的に好意を狙う、つまり宣伝目的の設計をしているにも関わらず、デジタルの導線においては好意の形成よりもクリック単価などの獲得効率を優先する販促目的になっている事が読み取れます。
この事は日本のデジタルマーケティングが販促領域のパフォーマンス型に依存している背景があるものと考えられます。

GumGumの一般消費者向けの調査でも、”あなたは普段のインターネット利用の際、広告表示に関してどのように感じてますか?”という質問に対し、Top3の回答は”邪魔である” (63%)、”しつこい”(47%)、”不快である”(29%)という結果が出ています。このことからユーザー体験を軽視した、効率を重視したインターネット広告を優先してきたことが、インターネット広告の価値を低下させる一因になっていることが浮き彫りになっています。※


・調査主体:GumGum
・調査実施機関:インテージ
・調査実施時期:2021年7月16日~7月18日
・調査手法:インターネット調査
・対象者条件:20~59 歳男女
・サンプルサイズ:n=1,073

考察
コンテクスチュアル広告はブランドの認知や好意を目的にした宣伝目的の活用が主です。多くのコンテクスチュアル広告のソリューションは、AIを活用して最適なコンテンツへの配信に対して最適化を行っています。それは、デジタル上での購買やリード獲得などの直接的なアクションへ繋げることができることに特化した、販促型AIとは目的が異なります。

TV-CMなどのマス広告が店頭の購買に寄与するように、宣伝目的だとしてもコンテクスチュアル広告を活用してターゲットユーザーに対して好意的な認知を形成することにより店頭での購買へ寄与する事例も多くあります。

例えば95%が店頭での購買が行われる飲料メーカー様の場合、TV-CMやYouTubeなどのマス広告に加えてGumGumを活用した際に、対象商品の店頭購入率が、GumGumに接触したユーザーは接触していないユーザーに比べて2.27倍高い結果が得られました。
このことからもコンテクスチュアル広告を使うことにより、ユーザーに対して好意的な認知を形成することに寄与し、ユーザーがオフラインで購買を行う際にも一定の効果があることがわかります。現在多くのデジタル広告が”顧客獲得効率”を目的にした販促としての使い方が多い中、EC化率が高くないオフラインでの購買がまだまだ多い商材については、従来型のTV-CMなどの宣伝広告としてのコンテクスチュアル広告を検討してみる価値があると考えられます。
  • GumGum活用事例 :飲料メーカー様 自社商品購入率 2.27倍

カテゴリー購入率は1.35倍。
カテゴリー属性へのリーチが成功し、さらに自社商品への購入率を引き上げることができた。

     ●        国内飲料メーカー様
     ●        コーヒーカテゴリー
     ●        接触者  & 非接触者との比較
     ●        掲載量 8,000,000 imp 20,000サンプル
     ●        2.27倍の商品 購入率
     ●        当社調べ

  • 調査概要

・調査主体:GumGum
・調査実施機関:シードプランニング
・調査実施期間:2021年6月24日〜7月15日
・調査手法:インターネット調査
・対象者条件:広告主または広告会社(広告代理店・メディアレップ)
・サンプルサイズ:200名 ※GoogleがサードパーティーCookie廃止延長の発表に伴い、追加質問を実施。127件の回答を取得。