■マイクロソフトが統合業務ソリューションを開始

「Dynamics 365」をCRMと言ってしまうサイトもあるが、私の理解ではそうではない。また 「Dynamics 365」自身のサイトでは「CRMとERP がひとつに」と言っているがこれも正しくないような気がする。(提供元を否定するのもどうかと思うが・・・笑)

私の理解では「MA、SFA、CRM、ERPそしてBI」が組み合わさった統合的な業務システムと思っている。(それぞれが何であるかは別の記事で紹介しているため検索で見つけてほしい)

引用: 「Dynamics 365」

●統合システムは構想として理想的

マーケティングテクノロジーの情報収集を始めてから、こうしたシステムが出ることが理想だと思っていた。ただクラウド型で企業内の全セクションが利用する統合的なシステムは、各企業の固有の業務フローの違いから提供は難しいかとも考えていた。考えていた矢先に 「Dynamics 365」 が出てきて正直おったまげた。(笑)

●部分的に利用することも可能

それぞれの機能は個別アプリケーションで提供されているため部分的に活用する事も出来るようだ。恐らく企業により使う必要のない機能もあるための処置だと思う。さらにセールスフォースの様に、すでに導入済システムがあり、原価償却ができていないためリプレースが難しいなどの組織に考慮したのだろう。

●Office365との連携もこのソリューションのポイントだ

マイクロソフトが提供するサービスだ。当然Office365との連携も緻密でありクラウドアプリとクライアントアプリの連携で意外と使い勝手が良くなると考える。

■ 「Dynamics 365」が出来ること

サイトの言葉をそのまま引用すると

「Microsoft Dynamics 365とは、潜在顧客の発見から売上の入金、そして購入後のお客様のサポートまで企業活動に必要な全ての業務をサポートするクラウド ビジネス アプリケーションです。

CRM と ERP がひとつになり標準装備のデジタル インテリジェンス (AI) が、業務に必要な情報をリアルタイムに提供します。企業は完全に統合された業務プロセスと使いなれたOffice 365製品などとの連携により、洗練されたワークスタイルを実現します。」

と書かれている。若干CRMとERP的な機能が協調されているが、以下のアプリケーションリストを見るとマーケティングテクノロジー的な機能もかなり含まれている。

●アプリケーション一覧

引用: 「Dynamics 365」
  • Dynamics 365 for Marketing (マーケティングオートメーション)
    • 顧客をあらゆる角度で理解し、より確度の高い見込み顧客を獲得できる マーケティング オートメーション
  • Dynamics 365 for Sales (SFA/CRM)
    • Dynamics 365 x Office 365 x LinkedIn の 連携による、気づき、洞察に基いた、 インテリジェントな営業活動を実現
  • Dynamics 365 for Customer Service (CRM)
    • あらゆるコネクションチャネルを網羅した インテリジェントな顧客サービスと顧客サポートを提供
  • Dynamics 365 for Fiels Service ( IoT&AI )
    • IoT と AI の活用で 受け身のフィールド サービスから 攻めのフィールド サービスへ
  • Dynamics 365 for Project Service Automation (プロジェクトサービスオートメーション)
    • 営業案件と統合したプロフェッショナル サービスの計画、 リソース割当て、進捗管理、コストの集計、プロジェクトの 完了までカバーするエンド ツー エンド ソリューション
  • Dynamics 365 for Finance and Operation (ERP)
    • 販売、購買、会計、サプライチェーン管理、生産管理、プロジェクト会計、流通、小 売業向け機能などの企業の基幹業務を中心に豊富な業種業態に対応できるソリューション
  • Dynamics 365 for Retail (流通/小売)
    • EC サイト/POS 等オムニチャネルの販売実績を リアルタイムに ERP で統合
  • Dynamics 365 for Talent (人材管理)
    • Dynamics 365/Office 365/ LinkedIn にまたがる人材ソリューションで、 新たな人材の獲得、育成から ハイパフォーマンスな人材の 維持にも最適

夢のようなシステムだが、まだ未知数な面も多々ある。さらに情報収集をしてみたい。サイトのサービス紹介を読み込んだ感想としては、期待できそうなサービスだと感じているが、すべてのアプリを一度に利用するより必要なアプリから使い始め慣らし運転をしながら、他のアプリを順次増強するという使い方をお勧めしたい。

■ 「Dynamics 365」の詳細はこちら