■分散化する顧客データを統合、一元管理の重要性
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、マーケティングテクノロジーで重要なプラットフォームの一つと考えるが、残念ながら企業内の優先順位が低い。もっとも中小企業の場合は導入するマーケティングテクノロジーも限られるため、例えばCRM機能を持ち合わせているシステムがあれば、それをベースとして統合と一元管理は出来るし、投資対効果としてした方が良い。しかし大企業、またはネット依存度の高い企業の場合は様々なプラットフォームの導入を行うため、 CDPが必要となる可能性が高い。
●ある日、CDPが必要だと気が付く
CDPの優先順位が低いことが影響して現時点では、多種のプラットフォームを各セクションで利用し、結果として複数の縦割りデータベースが連携することなく、マーケティング活動で利用されている。そしてある日「各顧客DBが連携していないため、正確で効果的なマーケティング活動、タイムリーな営業活動ができていないのでは!?、複数のシステムで利用できない!」と気が付く。
まあ気が付いてから導入を検討する事も大切なことだが、やはり事前に想定&選択を行い、しかるべきタイミングに導入を検討すべきだろう。
●CDPの選択で重視したい点はプラットフォーム連携
CDPの選択で重要な点はあらゆるデータが収集できる、柔軟なデータ管理が行える、データ活用の機能はもちろんだが、各マーケティングプラットフォームとの連携力がキーとなると思う。そういう意味では、ここで紹介するCDP「segment」は200以上のプラットフォームとすでに連携が行える点に注目したい。
■「segment」の出来ること
先に言わなければならないことは、残念ながら日本語対応していないようだ。また米国ビジネスにフィットする設計構想だと思われるため、そのまま日本で活用するのは難しい。ただし200以上のプラットフォームと連携し、CDPとして必要な5大機能を持っている。結構良いサービスだと思う。
- 「データ収集」
- 各種マーケティングプラットフォームから 顧客関連データをすべて収集し統合する機能(データ入力)
- 「データガバナンス」
- 最新で正しいデータかを判別し管理する機能 (データ整理)
- 「セグメンテーション」
- データを分析しマーケティング効率の高いセグメントを設定する機能
(データ解析)
- データを分析しマーケティング効率の高いセグメントを設定する機能
- 「予測・意思決定」
- 各種顧客データから行動を予想しマーケティング戦略に活用する機能
(データ分析)
- 各種顧客データから行動を予想しマーケティング戦略に活用する機能
- 「データ活用」
- 各種マーケティングプラットフォームに最新で最適な情報を提供しマーケティング活動を効率的に行う機能(データ出力)

さらにペルソナを想定する機能も付属しているようで、日本語未対応な点を差し引いても魅力的なシステムではある。
●恐らくデータ管理の重要性に気が付くべきだろう。
「segment」のような CDP はMAのようなフロント機能として目立つ存在ではない。そのため効果が見えづらく、投資対効果も出しにくいと思われる。恐らくはこうした利用で重要性が隠れてしまっているのであろう。しかし導入における効果は契約数、売上、利益という形でしっかり見えるはずだ。