■マーケティングオートメーション(MA)のおさらい。
マーケティングオートメーション(MA)とは、一言で言えば「One To Oneコミュニケーションを実現する」ためのオートメーションツールだ。もっと簡単に言えば メール&Web 活用したコミュニケーションの自動化ツールと言える。基本機能としてはWeb、mail、SNSを駆使して見込み客の興味や状態を把握、その上で見込み客のレベルに応じて、MAがWeb、mail を通じてコミュニケーションを自動で行い潜在的な見込み客を優良見込み客へと育てることになる。
このコミュニケーションを自動的に行う事からオートメーションと言われている。具体的には「リードジェネレーション」 「リードナーチャリング」 「リードスコアリング」「リードマネジメント」 の4大機能を揃ったものを MAと言う。この4大機能も少しふれておこう。
●「リードジェネレーション」見込み客をMAに投入。
まずは見込み客リストが無いとMAはまったく動かない。 見込み客リストはイベントや営業活動で得た情報(名刺)などから投入する必要がある。またSEOやSEMによりインターネット上から 見込み客 を発掘・獲得する必要もある。この見込み客を 発掘・獲得する行為を「リードジェネレーション」と言う。ちなみに見込み客の事を「リード」と言うが、これは覚えておこう。
●「リードナーチャリング」MAで見込み客を育成する。
リードジェネレーションで発掘した見込み客は、そのまま問合せや営業対象に到達することはまずない。見込み客の状態、その企業としての可能性に応じて育成を行う必要がある。優秀な営業マンがそうであるように見込み客が必要とする情報やノウハウを提供し続けて「育成」を行い、有望な見込み客に到達させる必要がある。これを「リードナーチャリング」と言う。実際のアクションとしてはメール、Web、SNSなど活用してコンタクトを取り育成する。
●「リードスコアリング」見込み客の状態やレベルを把握しなければならない。
リードナーチャリング を行うには、どのサービスに興味があるのか、興味の状態はどのレベルか、いつごろ活用する可能性があるかなど、優秀な営業マンと同じように見込み客をランク付けし、最適なアクションを行さないと育成は行えない。この見込み客をランク付け を「リードスコアリング」または「リードクオリフィケーション」と言う。
●「リードマネジメント」全体をマネジメントして分析も行う必要がある。
リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードスコアリングを統括して管理し、さらに全体や各段階の課題を分析し改善を行う必要がある。これを「リードマネジメント」と言う
■代表的なMAツールの比較/紹介
MAは海外から国内まで様々なツールが存在する。ここでは、代表格的なツールを以下の様に分類しながら、その特徴を紹介しよう。
- 無料
- メジャー&スタンダード
- 基本機能のみだがコストも安い、リーズナブル
- 上流から下流まで一元管理可能なマーケティングクラウド
- オンラインとオフラインの両方の管理が得意なMAツール
なお、本コンテンツは頻繁に更新をかける予定である。比較したい場合は最新の情報を見てほしい。
●無料のMAツール
→「Mautic」
オープンソースのMAツールだ。BtoB、BtoCのどちらも利用可能。特徴は以下の通り
- オープンソースでオンプレミス型なら無料で利用できる。
- 有料版に負けない、または優れている機能も多くある。
- クラウド型もあるため目的に合わせて選択ができる。
●お勧め
- 予算をかけたくない
- お試しで使ってみたい
- 有料MAと無料MAで顧客育成を使い分けたい
- MAを自社様にカスタマイズしたい
●メジャー&スタンダードなMAツール
→「Marketo」
「Marketo」はマーケティングオートメーションの代表格と言える。機能は集客から認知、育成、コンバージョンまで非常に充実している。BtoB、BtoCのどちらもカバーしている。 特徴は以下の通り。
- MA関連の多くの機能を有している。(リーダー的機能)
- BtoB、BtoCの両方で利用可能
- 各種システムとのAPI連携に積極的
- ユーザ会の活動が盛ん(相互援助)
●お勧め
- 充実した機能のMAを利用したい
- 他のマーケティング系システムと連携をさせたい
- ユーザー同士の意見交換、助け合いに魅力がある
→「HUBSPOT」
マーケティングオートメーション市場を世界的に見れば、間違いなく「HUBSPOT」は5本指の中に入るMAだ。ただし「HUBSPOT」自身はMAという売り方ではなく、CRMと言っている。ここに特徴を見ることができる。主にはBtoBの利用となる。 特徴は以下の通り
- CRMがベースとなっているためセールスからマーケティングまで一元管理が可能
- SNSやSEO関連機能などリードジェネレーションが充実している
- インバウンドマーケティングを特に得意としている
●お勧め
- ワンストップで利用できるMAツールを利用したい
- マーケティングだけではなくセールスも含めたマネジメントをしたい
- 基本機能で充実したリードジェネレーションにより見込み客を発掘したい
●基本機能のみだがコストも安い、リーズナブルなMAツール
→「Kairos3」
最小機能、低価格で使いやすいマーケティングオートメーションの代表格。BtoBの利用がメイン。特徴は以下の通り
- 最小機能、低価格で使いやすい。コストパフォーマンスが優れている
- MAとして必要な機能は含まれている
- ユーザインターフェイス等の使い勝手が良い
●お勧め
- 中小企業に向いている
- リーンスタートアップの場合は検討の第一候補になる
- デジタルマーケティングの取り組みはまだない企業(入門編)
→「mabot」
手軽でリーズナブルなBtoBマーケティングオートメーションツールでインスタントMAと宣言している。 BtoBの利用がメイン。 特徴は以下の通り
- リーズナブルなMAツールでコストパフォーマンスが高い
- インスタントマーケティングオートメーション
- 簡易的だがセールスの管理も可能
●お勧め
- 中小企業に向いている
- リーンスタートアップの場合は検討の第一候補になる
- デジタルマーケティングの取り組みはまだない企業(入門編)
→「List Finder」
日本版MAで低価格に抑えたリーズナブルなMAツール。 BtoBの利用がメイン。 特徴は以下の通り
- 低価格な マーケティングオートメーション
- 基本的機能は完備している。
- BtoB業界での導入率No.1の実績を持つ
●お勧め
- 中小企業に向いている
- リーンスタートアップの場合は検討の第一候補になる
- デジタルマーケティングの取り組みはまだない企業(入門編)
→「 HIRAMEKI management 」
「HIRAMEKI management」は純国産のマーケティングオートメーションだ。サイトではマーケティングプラットフォームと言っているが、この言葉の使い方にこだわりを感じる。
- 導入しやすい価格体系。初期費用0円、月額費用5万円
- 使い勝手のよいUI設計
- 導入、運用のコンサルティングサービス(別途費用)
- 柔軟なカスタマイズ性
●お勧め
- 中小企業に向いている
- リーンスタートアップの場合は検討の第一候補になる
- デジタルマーケティングの取り組みはまだない企業(入門編)
- 自社に合わせてカスタマイズしたい
●上流から下流まで一元管理可能なマーケティングクラウド
→ 「Pardot」
「Pardot」は「Salesforce Marketing Cloud」の1つのソリューションであり、そのため多機能で拡張性が高い。主にBtoB系のツール。特徴は以下の通り。
- BtoB系のマーケティングオートメーションでBtoB系の管理機能が充実
- salesforceとの連携性、親和性
- SalesCloudでマーケティングのトータルマネジメントが可能
●お勧め
- マーケティングクラウドとして上流から下流までカバーしたい
- セールスフォースを導入しセールス部門で使いこなしている
- 多機能で拡張性が高いMAを選びたい
→「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」
企業のマーケティングを一元的に管理できる充実したマーケティングクラウド。BtoB,BtoCのどちらにも利用できる。特徴は以下の通り
- 広告からマーケティングまでマーケティングクラウド(MA)でもっとも充実した機能
- CRM、DMP機能もあり、マーケティングに関する上流から下流まですべてカバー
- 機能と導入コストからグローバル規模の大企業が活用
●お勧め
- マーケティングクラウドとして上流から下流までカバーしたい
- 最高レベルのマーケティング管理を行いたい
- 多機能で拡張性が高いマーケティングプラットフォームを選びたい
→「Eloqua」
大手企業ではNo.1のオラクルのマーケティングオートメーションで、「Oracle Marketing Cloud」のBtoB系MA。特徴は以下の通り
- 大手企業(グローバル企業)BtoB系のマーケティングオートメーション
- 他部門での活用などデータマネジメント機能が充実
- Oracle Marketing Cloudとしてマーケティング活動全体をサポート可能
●お勧め
- マーケティングクラウドとして上流から下流までカバーしたい
- 高レベルのマーケティング管理を行いたい
- 多機能で拡張性が高いマーケティングプラットフォームを選びたい
→「アクティブコアマーケティングクラウド」
プライベートDMPを中心しながらAIで自動化を補完する「アクティブコアマーケティングクラウド」 BtoBの利用がメイン。 特徴は以下の通り
- デジタルマーケティングをワンストップでマネジメント可能
- DMPを各DBの中心に置いている(CRM的な位置づけ)
- AIにより予測、発見、レコメンド等のデータが得られる
●お勧め
- マーケティングクラウドとして上流から下流までカバーしたい
- 顧客を軸にしたデータの統合管理をしたい。
- リーズナブルなマーケティングのトータル管理システムを導入したい
● オンラインとオフラインの両方の管理が得意なMAツール
→「MOTENASU」
郵便DMが送付できるマーケティングオートメーション(MA)。BtoCが得意範囲だと思われる。特徴は以下の通り
- 郵便を管理できるマーケティングオートメーション
- メールやSNSなどのコミュニケーションチャネルも充実
- CRM機能もあるためマーケティングからセールスまで一元管理が可能
●お勧め
- ダイレクトメール(郵便)を含めたマーケティングオートメーションを行いたい
- MAの機能が充実したものを利用したい
- 日本型運営にあったMAツールが欲しい
→「シャノンマーケティングプラットフォーム」
イベント&展示会連携が得意な日本型MA「シャノンマーケティングプラットフォーム」。 BtoBの利用がメイン。 特徴は以下の通り
- 展示会/イベント/セミナーなどに強い
- 営業活動を含めたオンライン&オフライン管理
- 日本型マーケティング&セールススタイルに適合しやすい
●お勧め
- 展示会&イベント&セミナーを重視したセールススタイル
- セールス管理が行えるSFAの機能も同時に欲しい
- 日本型運営にあったMAツールが欲しい