■Webの重要性を改めて確認しよう。
すでにWebの重要性を理解している読者が殆どだと思う。しかしあなたが思っている以上に重要性は加速している。各企業や調査機関から様々なWeb活用のデータが発表されているが、以下の数字はBtoBビジネスの担当者が新しい調達先、取引先を探す場合のWeb利用傾向だ。
- 90%以上の担当者が12回の検索を行っている。
- 紹介やイベント展示会など頼らずインターネットで調査をする担当者は74%
- 57%はインターネット情報のみでコンタクト先を定めている。

かなり衝撃的ではないだろうか。つまりインターネットで成果を上げ続けなければ企業の未来はないと断言できる。
■必要な戦略
●ターゲットの「認知」と「育成」に集中し、そのうえで「継続的なPDCA」を回す事。
インターネットでビジネス成果を出すには、コンテンツマーケティング的な戦略を取り入れ「認知」と「育成」 に力を入れること。そして可能な限り「PDCA」を回し続けること。この3点を実現することでWebのKGI,KPIの数値が向上し当初目標に近づく。

他に難しいことは考えなくていい。またコンテンツマーケティングと言うと多額の予算と膨大な作業量を想像するが、出来る範囲で十分だ。コンテンツマーケティングを特別なことと考えてはいけない。要は訪問者が必要としている情報、体験したいことを準備する事がすべてだ。
さっそくWebを中心としたコンテンツによる「認知」「育成」「PDCA(運用)」をどのように実践すべきか見てみよう。ここに書かれていることは、繰り返すが大掛かりなものではない。大企業でも必要だが中小企業でも検討できる範囲のものだと理解してほしい。
●コンテンツマーケティングについて
コンテンツマーケティングの注意点は「売込」と考えてはいけない。もちろんターゲットは「見込み客」ではあるが、この 「見込み客」に役立つことだけを考えよう。欲しい情報は提供し、また必要だと思われるノウハウや方向性を伝授しながら「育成する」だけに集中しよう。それが結果的に顧客化に結び付く事は言うまでもない。
考えてほしい優秀な営業マンは「買ってください」と言わない人が多い事を。なぜ売れるか・・・見込み客を育成して、見込み客から「売ってください」と言わせるから。
■アクションプラン
実践のための準備も実にシンプルで 「計画をする」「体制を組む 」「最適なソリューションを活用する」この3点だけ十分だ。
●計画をする
スタート時点の計画は壮大なものではいけない。長期的には壮大になりえるが、初年度は予算と稼働の投下は費用対効果を重視しよう。そうでないと挫折する。基本は達成できる目標にとどめて成功事例を作ること。そのうえで以下について決めてほしい
- 目的と目標を明確にする(壮大な目的、無理な目標に注意)
- ターゲットを見える化する(だれを相手にしたいのか)
- ターゲットに必要な情報を想定する(違っていても大丈夫。PDCAで改善しよう)
- 実施計画を立てて体制とスケジュール、予算を決める(無理なく)STEP2以降の想定もしておこう。
これらは企業によって内容が異なるため、説明は省くが体制だけは以下で触れておきたい。
●体制を組む
体制は社内にWeb担当者が1名いれば、あとは社外スタッフに頼ってもよい。ただマーケティングや分析解析に精通したスペシャリスト1名は必要となる。この点に注意をして欲しい。

そしてマーケティングや分析解析に精通したスペシャリスト に頼りながら
ソリューションの導入を行う必要がある。
●マーケティングテクノロジーのソリューションを導入
マーケティングテクノロジーのソリューションはなぜ必要か。改めてマーケティングテクノロジーの主な役割を整理してみよう。
- ターゲットに認知を促しサイトへの誘導を行う (認知)
- ターゲットとコミュニケーションを図り育成を行う(育成)
- コンテンツを効率的に発信す(マネジメント)
- ターゲットの思い、行動を理解し課題を発見して改善する(PDCA)
- これら情報を収集し蓄積し活用する (PDCA)
このように「認知」「育成」そして{PDCA運用」には マーケティングテクノロジーが絶大な力を発揮する。「マーケティングキャスト」の存在意義がここにある。有用で多岐にわたる マーケティングテクノロジー のソリューションが市場に溢れている。自身の企業に最適なソリューションを是非とも発見し導入してもらいたい。
ではそれぞれどのようなツールなのか、概要を説明しよう。
■「認知」を広げる武器をもつ
インターネットで認知を獲得するには二つしか方法はない。
- SEO対策で自然検索を増やす
- 広告対策で誘導を増やす
SEOも広告 も様々なノウハウが必要であるため外部スタッフに頼ったほうが確実だが、自分で学ぶことも出来る。
ただしSEOも広告も様々な分析&解析ソリューションがあるため、それを利用したほうがいい。これらソリューションは無料から有料まで多くのソリューションが存在する。未経験であれば無料ツールから利用すべきだろう。
■育成を図る仕組みを作る
育成については、コンテンツマーケティングの実践が必要不可欠となる。コンテンツマーケティングのノウハウは以下を参考のリンクを参考にしてほしい。
育成となるコンテンツマーケティングには効果測定、課題発見、改善のPDCAが重要となる。このアクションなく成功などはあり得ない。このアクションを行うためにやはり分析&解析系の ソリューション が必要不可欠になる。こちらもGoogleアナリティクスを含めた 無料で利用できるものから、有料で利用するものまで各種存在する。やはり未経験であれば無料ツールから利用すべきだろう。
■PDCAを回す土台を作る
育成で PDCA の重要性に触れたが、PDCAを回す中でマーケティングテクノロジーが必要な作業がD(実行)とC(チェック)となる。
D(実行)を費用を抑えながらスピーディーに行うにはCMSが必要となる。自社が行いたい事をリストアップしながら最適なCMSを選択することは必須になるだろう。ただ安心してほしい、こちらも有料版から無料版まで豊富にそろっているので無理なく始められる。
C(チェック)は、経験と勘ではない数字的な根拠をもって行いべきだ。そしてインターネットのソリューションには、様々な分析&解析ツールがある。しかも無料で利用できるものも意外と多い。例えばWeb解析ツールは当たり前として、ページ遷移だけではなく、画面内での行動も知りたくなる。この場合はヒートマップツールが必要だが、これも無料版は存在する。さらにオープンDMPのサービスで、訪問者の属性や、サイト内の行動、興味のレベルが把握できるツールもあるが、これも無料版で利用できサービスもある。
また最終的にはマーケティングオートメーション(MA)の利用も興味が出て切ると思うが、これも月間1万円前後から利用できるソリューション、オープンソース(無料)のMAもある。
あまり敷居を高くせずに、こうしたツールの無料版から利用を始めるとPDCAのサイクルも自然に回るようになる。
■当初の戦略立案も大事。
上記のように無理のない運用体制とソリューション導入は大企業の限らず、中小企業でも出来る。特にソリューション導入は怖がらずトライ&エラーをどんどんすべきだ。最良のソリューションに出会ったとき思わぬドライブがかかることもある。
ただし「何となくいいかな」程度の選択だと歩み方や進む方向を間違える可能性がある。最小限のスタートを目指すなら、長期的な戦略立案はベースとしてあったほうが良い。